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モノづくりを楽しむ大学生の備忘録。まだまだ初心者です。お手柔らかにお願いします。

自作人工筋肉 その1 エントロピー弾性

あけましておめでとうございます。 今年もたくさん挑戦していこうと思います。

さて今回はタイトルの通り、人工筋肉を自作してみようという記事です。
今までアクチュエータとしてモータばかり扱っていたので何か新しいアクチュエータを使用してみたいと思い、人工筋肉に興味を持ちました。 自作している方を見かけたので、自分も挑戦してみようと思い、これからその過程を記事にしていきたいと思います。

まず今回作成する人工筋肉は、以下の動画のように糸を使用したもの作ってみようと思います。

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一度作ってみたのですが、工具や実験器具が足らず大したものが作れず、現在準備中です。 今回は製作する人工筋肉がどのような性質を利用したものであるかについて調べたのでまとめていきたいと思います。

今回製作する人工筋肉は、加熱すると収縮し冷却すると膨張するといったものです。通常は加熱によって膨張する現象が多く見られますが、収縮してしまうのです。ゴムの弾性においてよく話されるエントロピー弾性というものによってこの特徴が見られます。

そのエントロピー弾性について見ていきましょう。エントロピー弾性はゴムなどの高分子における性質です。まずは高分子はたくさんの分子鎖で構成されており、その分子鎖1つを一本のひもに見立てて引張った際のエネルギーの変化について考えていきます。
張力fがかかった、長さLのひもが微小変形dLだけ伸長されたときの熱力学第一法則から自由エネルギー変化dUを表すと、

 dU = TdS - pdV + fdL

となります。非圧縮で体積変化がないとします、この時 dV = 0となり、定圧定温下で張力fを表すと以下のようになります。

 f = (\frac{\partial{U}}{\partial{L}})_{p,T} - T (\frac{\partial{S}}{\partial{L}})_{p,T}

この式はマクスウェルの関係式  -(\frac{\partial{S}}{\partial{L}})_{p,T} = (\frac{\partial{f}}{\partial{T}})_{p,T} を用いることにより、以下のように書き換えることができます。この式をケルビンの関係式とも呼ばれているそうです。

 f = (\frac{\partial{U}}{\partial{L}})_{p,T} +  T (\frac{\partial{f}}{\partial{T}})_{p,L}

よって以上の第1項をf_eとして内部エネルギーの変化が原因となるエネルギー弾性、第2項をf_sとしてエントロピー変化が原因となるエントロピー弾性に分けられます。このエントロピー弾性項を確認するとエントロピー弾性は温度に比例することが分かります。

実際の高分子は以下の図のように、たくさんの分子鎖が絡み合っています。この分子鎖がそれぞれが先ほどまで考えていたひものであり図のように集まっています。 f:id:atmos-tic:20180102202700j:plain:w200
エントロピーは煩雑さを示すものと言われています。ひものような形状の高分子が伸長した時の現象を考えます、自然長と比べ伸長時では各分子鎖は引っ張られた状態になり分子鎖は伸長方向に伸び、自然長時でランダムに絡みあっていた分子鎖は伸長時では分子鎖それぞれが整列した状態となり、ランダムな状態から整列した状態となるため、煩雑さを示すエントロピーが減少した状態になってしまうのです。
ここで高分子を加熱した場合を考えます。熱を加えることは高分子内の分子にエネルギーを与え、エントロピーが上昇する方向に動きます。そこでエントロピーの高い自然長に戻る方向、収縮方向に力が働きます。このようにして、加熱によって収縮する人工筋肉が理論づけられます。

今回は人工筋肉の理論的な部分について書きましたが自分のメモ程度に書きましたので、前提知識がたくさんいると思いますがご容赦ください。これからは実験の結果を記録してくことになると思います。目標はとりあえず人間の指型のマシンを動かせるくらいまでできるとよいと思っています。

過去に大学で受けた授業のノートなどと以下の資料を参考にしました。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~ftanaka/member/ftanaka/webct/rubber.pdf

2018/01/31更新:説明補足